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ハピ・ラキ

迷いつつも歩き続ける日々の記録

終わりを実感

 朝ようやく電気が戻って来た。それで、山程の洗濯。これで引っ越し前の洗濯はひと段落だ。
 午後、JICA事務所から所長と調整員が来た。最後の任地訪問で、配属先に挨拶し、活動を振り返って次代へとつなぐ調整の為だ。カウンターパートの事務所に行き、4人で話をした。私の中で焦点にしたい問題は一つ。カウンターパートはともかくとして、配属先のGICは殆ど実体が無く、ボランティアの活動に何の関与もしていないので、実質活動を一人でやるしかないという事だ。それでも町の周囲の人が協力してくれるので、活動上の支障はあまりないのだけれど、それでも配属先なのだから、何らかの協力・協働が欲しい。2代目の隊員が私のすぐ後に赴任する事が既に決まっているので、彼女の為にもその事だけは伝えたかった。
 それにしても、カウンターパートの事務所で話をしている時に、ようやく実感として、「ああ、活動終わるんだな」という気持ちが湧いて来た。自分で言うのもなんだけど、結構頑張ったよな、自分。
  1. 2010/06/11(金) 22:49:18|
  2. カメルーン生活

ありがとう

 停電3日目。昨晩少し発電機が回ったので、その時に水が汲み上げられたのだが、午前中にはその水も無くなってしまった。荷作りする前に、色々きれいに洗濯したいのに。
 午後はGIC-Kへ最後の訪問。鶏は44日目で、もうすぐ売れる状態の筈なのに、行ってみるとまだ小さい。「買った餌の質が悪いのよ!」とGICのリーダーは決めつけているが、そうだろうか。餌は今まで何袋あげたの? と訊くと、3袋と少し。と言う。「餌のやり方が少ないよ!普通は45日間で6袋の餌を消費するって聞いているよ。もっと餌をやらないと大きくならないよ」と言うと、分かった、と納得した様子だった。どうやら、餌代を気にして、餌のやり方をセーブしていたらしい。
 餌は十分やっても、ちゃんと利益があるから!と表を作って説明すると、納得した様子。まだ2回目で、前回の利益で全てが賄えない為に今は苦しいのだけど、次からはもう利益がちゃんと出てくる筈。「養鶏を続けていってね」と言うと、「もちろんよ!」と彼女達は請け合った。「養鶏のノウハウは、もう私達の財産だもの。あなたは、私達に大きなプレゼントをくれた。本当にありがとう」とリーダーが何度も何度も繰り返し言ってくれた。このGICは本当にやる気があるし、彼女達の言葉には嘘が無いので、付き合っていて気持ちがよかった。彼女達と一緒に活動が出来て本当に良かったと思う。私こそ、こんな色々模索しながらの活動に一緒に付き合ってくれてありがとう。
最後にみんなでビールを飲んで、別れを惜しんだ。
  1. 2010/06/10(木) 22:48:09|
  2. カメルーン生活

雨のち晴れのお別れ

 昨日の晩から停電。朝起きたら水もなかった。ハァ~、ショック。色々洗いたいものが沢山あるのに。
 
 今日は、カウンターパートが、オンベサの農業省関係者とGICのリーダーなどを集めてささやかなお別れ会を開いてくれるということだったんだけど、あまり期待できなかった。というのも、彼はだいぶ前から、「お別れ会を開いてあげるね。GICのリーダー達を呼んで」とか、良い事を言ってくれていたんだけど、今週月曜日になっても、全然準備をしている様子もない。(ちなみにウチの母が来る前にも、「お土産にカメルーンのネックレスなんかを用意するよ」なんて言って私を喜ばせておいて、何もしなかった。何もしないなら、何も言わなければよいのに。)私が企画した研修室の講座に顔を出そうともしなかった事もあり、私は最近少し彼に対して信頼を持てないでいるのだ。
 12時に来い、と言われてその時間行ったのに、カウンターパートはずっと他の人と、何かの申請書類の記入作業に追われている。すっかり仕事モードだし、呼ぶと言っていたGICのリーダー達は殆ど来ていないし。やっぱりこれじゃお別れ会は開かれないんじゃないか、と思った。がっかりだ。私から言い出した事じゃないけど、やっぱりちゃんとお別れをしたかったし、お別れ会も開いてもらえないんじゃ、私が2年間やって信頼関係を築いて来たと思ったのも、幻想だったのかな、と思ってしまう。(GICのリーダー達が悪いんじゃなくて、ただ単に、カウンターパートの会の取りまとめ方が悪いだけなんだとは思うんだけど。)
 少ししょんぼりと、それでも他の人が仕事をしているのを待っていると、事務所の横の店のSが、「帰っちゃうんだってね」と声をかけて来た。「帰る前に何か頂戴よ」と言う。又か!そういう事を、しょっちゅう言われるのだけど、友達だと思っていたSにまで言われると、本当に凹む。「あなたには、カマドを作って作り方教えたでしょ」と言ったのだけど、「何か物が欲しいのよ」だって。あ~、全く! 2年間働いて、自分では頑張って、出来る限りの事をしたつもりなんだけど、やっぱり「物(やお金)を頂戴」と言われ続ける。それは、この国では仕方が無い事だと、頭では理解していても、気持ちはやっぱり、何だか自分がしてきた事を否定されるようで、がっかりするのだ。
 
 気持ちが凹み過ぎて、もう、家に帰ろうと思った。カウンターパートに最終レポートを渡して、「私はもう帰るよ。お別れ会も無いみたいだし」と、告げた。すると、「エッ?!そんな、お別れ会はするんだよ。そんなに短気にならずに、もうちょっと待ってよ」と彼は慌てて私を引き止めた。あれ?やる気なの?
 しばらくすると、カウンターパートの部下がバイクでビールを1ケース運んできた。又別のGICのリーダーが、ピーナッツが入った袋を持ってやって来た。何とかお別れ会の体裁が整ったようだ。
カウンターパートが、お得意の演説を始めた。「私たちはいつも、外からの援助を求めようと考えてしまうけど、彼女は私達の問題を掘り下げ、その問題に対して何ができるか、しかもこの土地にある物や人の中で、問題を解決する方法を模索し、それを伝えてくれた。私たちはこれから、自分たちで自分達の問題を解決していくのだ」
おお、何だ。分かってくれているのじゃん。その内容は、私が最終レポートの最後に、伝えたいメッセージとして書いたのだけど、それを受け止めてくれたのだと思うとやっぱり嬉しかった。
「Grand merci(本当にありがとう)」と言われ、ジーンとした。その上、予期していなかったカメルーン50周年の布のプレゼントまで用意されていた。その気持ちが嬉しいなぁ。私もゲンキンなもので、ありがとうと言われると、さっき凹んだ事など忘れ、やっぱりやってきて良かった。と思う。見返りを求めてボランティア活動をすべきではないと思うけど、やっぱり、喜んでもらって「ありがとう」と言われたいものね。
 みんなでビールを飲み、最後にみんなで写真を撮って、お別れした。
100609 ささやかなお別れ会 (4)
  1. 2010/06/09(水) 17:37:12|
  2. カメルーン生活

悲しい出来事

 今日はCEACの講習会というのに呼ばれていたのだけど、その前にムッシューMの家に寄ってみた。ムッシューMは養鶏の時にお世話になった人なのだけど、夫婦そろって私の事を気にかけてくれ、何かと声をかけてくれたりした。奥さんのお腹に赤ちゃんがいて、丁度6月に生まれる予定だという事だったので、「帰国前に生まれたら、赤ちゃんを抱きに行くね」と約束していたのだ。最近連絡がないけれど、どうしているだろう、と思って。
 家にムッシューMはおらず、マダムだけだった。パッと見た瞬間、お腹がそんなに膨らんでいない。「どう?元気だった?」と挨拶すると、「Ça ne va pas!私、先週木曜に赤ちゃんを産んだのだけど、死産だったの」と彼女は泣きだした。
 「前回妊娠した時にも、同じだった。あの時は男の子だったけど、今回は女の子だったの。可愛い女の子だったのよ!生まれた時に、ほんの少し産声を上げたけど、すぐに死んでしまった。最初の時には、みんなが、『最初の子供は大変だからそういう事もある。次回があるよ』と言ってくれたけど、これで2度同じ事が続いてしまった。なんでだかわからない。これでもう、夫は別に女の人を作るかもしれない。だって、彼は子供を欲しがっているんだもの。アフリカでは家庭の真ん中には子供がいなくちゃいけないのよ。」
 私も本当に悲しくなった。あんなに子供を楽しみにしていたのに、こんなことになってしまったなんて。「でも、希望を捨てちゃダメよ。きっと次はうまくいくよ」とぎこちなく慰めるしかない。しばらく肩を抱いて話を聞いている内に、彼女も少し落ち着いて来た。きっとまだ心は悲しみで一杯だろうけど、私に対しては「また次に頑張るわ」と言ってくれた。
 会えるのも最後になるかもしれないと、持って来ておいたささやかなプレゼントを彼女に渡して、彼女の家を後にした。
  1. 2010/06/08(火) 22:35:39|
  2. カメルーン生活

何とかなる

 今日は堆肥作り講座第2回目、実践編の日。堆肥作りの材料である家畜の糞を、母屋の家畜担当のMに頼んでおいたのに、朝、何度電話しても繋がらない。ムム~。困ったな。
仕方がないので、裏の子供に手伝ってもらいつつ、鶏糞2袋と豚の糞を1袋、袋に詰めた。袋と言っても、肥料とかを入れる50キロの袋だから相当大きいんだよ。もう、重くて大変。ただ、鶏糞はすっかり乾燥していたし、豚の糞も殆ど堆肥化してしまっていたのしかなくて、両方とも匂いがなかったのが救いだったけど。私はもうこの時点で結構疲労困憊。
 Mはその後来て、「停電だから携帯のバッテリーが切れてて」と言い訳しながら、集めた糞をバイクで運んでくれた。
 講座は12時から。前回雨にも関わらず1時間前にオンベサに着いていた講師のE氏が、12時になっても現れないので電話をすると、「今オバラにいる。今日は行けないんだ」だって。エ~ッ!確かに先週、「もうすぐイスラエルに研修に出かける予定だから、来週は厳しいかも。何とか調整するけど…」と言っていたけど、何にも連絡くれなかったじゃない。ま、もしかしたらとは思っていたけど。。もう、仕方ないな~。
 講師のE氏も来ないし、材料の調達も難しいので、今回は堆肥を積むのは止め、簡易液体肥料のみ作ることにした。容器となるドラム缶を探して右往左往したり、100リットルの水を井戸で汲んだり、参加者同士、ああだこうだと議論しながら、何とか形にする事ができた。講師もいないし、私はもう他の参加者に殆ど任せていたけれど、みんな結構何とかするもんだな。

 カメルーンに来て何度も思うし、この間も似たような事を書いたけど、この国では「あらかじめ何もかも段取りしておく」という事はできないし、しない。全てを段取りしておく事に慣れている私にしてみると、「大丈夫なんだろうか」と思うけど、「その場で何とかする」というのがここの人のやり方だし、結構何とかなるもんだ。
 心配していた堆肥講座もこれで終了。ちょっと肩の荷が下りた。
  1. 2010/06/07(月) 22:33:50|
  2. カメルーン生活
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