ハピ・ラキ

迷いつつも歩き続ける日々の記録

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ちょっと哀しい一幕

 オンベサ出身で、大臣まで務めた人が亡くなったとかで、今日はオンベサで追悼集会のようなものがあるのだとか。我が家の母屋の大臣宅では、昨夜から夜通しで料理をしている。追悼集会の後、大勢のお客さん(予想500人位)が、来るのだとか。私も朝8時頃より、料理を手伝う。プランタン(バナナ)を揚げたり、野菜を切ったり。庭には、運動会の時のようなテントが張られ、椅子やテーブルがずらりと並べられた。壮観だ。
 午後になると、どっと人が押し寄せてきた。みんな飲んだり食べたりしゃべったり、にぎやかだ。その頃には、裏方の私たちはすっかり疲れて、お客さんが食べるのをぼんやり見ているという感じ。
 夕方、お客さんがあらかた帰ると、後に残るのは汚れた大量の皿・皿・皿。そして、フォークやスプーンやコップ達。さて、これをどうするのか。。今日、洗うの?う~ん、それはちょっともう勘弁してほしいなぁ。と思っていたところ、一人の年配の婦人が表から裏方の方へ入ってきた。
その婦人は、私が以前調査に協力してもらったGICのメンバーで、殆ど倒れかけている家に住んでいる人だ。時々会うので私も良く知っている。彼女は、私に会うといつも「何か私にくれるものはないの?」という仕草をするのだが、あまりにも酷い家に住んでいるし、一度病気だった事も知っているので、直接お金をあげたことはないものの、一度何かの折に、イニヤム(イモ)を届けた事がある。
 さて彼女、私を見つけると、こう言ってきた。
「何も食べていないの。お腹が減っているの。娘よ、ママンに食べるものを頂戴。」
 もう少し早く来れば、会場に食べ物が沢山あっただろうが、今はもうない。恐らく、「大臣の家に来れば何か食べられる」という噂を聞いて来たのだろう。(入り口で招待状をチェックしたりなどしないので、もう来る人は拒まず状態なのだ。)彼女の他にも、そういうことを期待した人たちが、新たに何人も来ているようだった。
 料理を手伝いはしたものの、食べ物は私のものじゃないし、あげてよいかどうか、わからない。しかし、これは断りにくいし、私も知っている人だけに、食べ物をあげたい気持ちがあった。
 裏方で働いている人に「こういわれたんだけど、裏に残っている食べものをあげてもいいかな?」と訊くと、あげていいよ、という。(お腹が減っているという人を断ることは、こちらでは殆どないと思う。)料理をお皿に盛って(どれだけ食べるかわからないから、沢山盛って)、スプーンとフォークをつけ、「どうぞ、ここで食べて」と渡した。というのも、そのまま表に持っていかれると、他の人も食べ物を求めてくるのではないか、という恐れがあったからだ。しかし彼女、「連れがいるから」と料理を持って、表に帰って行った。・・・一抹の不安。
 案の定、早速それを見た他の婦人が来た。同じGICのメンバーだ。
「娘よ、私にも食べ物をくれない?」 そして、お腹が減っているの、という仕草をする。
そして、その後ろにもまた別の婦人が、ニコニコと待っている。ああ・・・。食べ物を待つ婦人たちが列をなしてしまった。
 もう一度、「あげてもいいかな?」と確認してから、お皿に料理を盛って渡し始めた。途中から、一人ひとり渡しているときりがないと思い、料理をいくつかの皿にどっさり盛って、「これ、表のみんなで取り分けて食べて」と渡した。婦人たちは嬉しそうに、帰って行った。さ~これで、何とかなったかな。。と思いきや。
 最初に来た婦人がもう一度やってきた。
「どうしたの?」
と訊くと、
「まだお腹が減っている。連れが全部食べてしまって、私は全然食べられなかった」と言うではないか。エッ?そりゃないでしょ。さっき、空のお皿を返しに来た時には、ニコニコと「ありがと」って言ってたじゃない。
 しかし、「お腹が減っている」というものを断ることはできない。それに、毒を食らわば皿まで。と思い、私はもう一度盛大に料理を盛って渡した。どうせ又、表にいる人と分けて食べるのだろうと思って。
 すると彼女、横にいる人に「何かプラスチックバッグ(スーパーの袋)頂戴」と言い、その料理を詰め始めるではないか。お持ち帰りである。
 そこに、表から給仕人Mが帰って来た。そして私に言った。
「何やってるの。もうその婦人はさっき沢山食べててお腹いっぱいなハズだよ。一人にそういうことをすると、また全員が、料理を持ち帰るためにここに並ぶよ。そんなことしちゃダメだよ」
 
その婦人の前に、料理を渡した別の女性もまた、なんと袋に詰め始めていた。実はその前に彼女に一度お皿を渡していたので、「どう、おいしく食べた?」と訊いたら、「前には沢山の人がいるのよ。私ほんのちょっとしか食べられなくて、まだお腹ぺこぺこよ」と言うので、じゃあ、もう一度、と料理を渡したのだった。
「さっき、お腹が減っているって言っていたじゃない。それは嘘だったの?」と言うと、「家に子供がいるのよ。子供がお腹を減らしているの。」という。
先ほどの老婦人にも「お腹が減っているんじゃなかったの?」と言うと「何のこと?」という感じでとぼけた様子で料理を持って行ってしまった。
その後、幸いお持ち帰り料理を求めて人々が並ぶことはなかったけれども、私としては、ちょっと裏切られた感があり、疲労感がずっしりと肩にのしかかった夜だった。
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  1. 2009/06/06(土) 22:24:52|
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